「子供も私も胃腸が弱いのか直ぐに下痢になるんだけど・・」
私は子供の便秘が気になっています。
毎朝トイレに行かせても出なくって。3日くらいの便秘は日常です。薬飲ませるのも抵抗あるし、、
私も実は毎日快調っていうわけではなくて、昨日一昨日に自分の食べた物の評価が下されているようでドギマギしてます(笑)
それでは、今日は体からのメッセージの受け取り方と対処法についてお話しします。
うんちはどうやってできるのか。
人間の体は1本のなが〜いトンネルになっています。口からおしりの穴まで、大人だとおよそ8〜6mくらいあります。
食べたり飲んだりした物は、このトンネルを通りながら、だんだんうんちにかわっていきます。
そもそもうんちは2 / 3が水分といわれます。 残りの1 / 3が腸内細菌で、生きている細菌やその死骸。
飲食物が口から入ると、まず咀嚼して分解酵素を混ぜ込みます。トンネルに入る前に咀嚼することで小さな塊にしながら分解酵素を混ぜ込みます。
食道を通って胃といわれる場所で、食べたものをぐちゃぐちゃになるように捏ね回します。
捏ね回しながら体が栄養として吸収しやすい形(中医学用語では気と血と津液)に分けてゆきます。
胃と言われるエリアを通過した飲食物は更に小腸と言われるなが〜いトンネルエリアを体温で温めながら、24時間こね回し続け、食べたものを消化吸収してゆきます。
そして栄養を抜いた不要物は大腸と言われるエリアに到達して、大腸で水分を吸収させながら固まっていきます。そして遂に、うんちが出来上がるとお尻の穴から排泄させます。
食品加工工場のようですね。いろんな食材や調味料をトンネルの入り口から放り込むとうんちという商品が出荷されるみたいな(笑)
うんちの種類
うんちにはいろんな種類があることはなんとなくお分かりですね?
水のようにしゃーっと出るうんち
泥のようなビシャビシャのうんち
小さくちぎれたふわふわうんち
白っぽい黄土色のような色をしているうんち
小さく細長いうんち
小さいコロコロのうんち
カチカチのうんち
キレイな排便は毎朝バナナ1本半。バナナ程度の柔らかさで水分が程よくあって匂いも抵抗もないスルスルスル〜っと出せたものって聞いたことがあるわ。
水分が多くシャーッと慌てて出てきたものは下痢と言われていて、急いで体から排出したいと判断したうんち。
ウィルスや食中毒の細菌や消化しきれないと判断したものが入ってきた時に、緊急的に体外に放出したものです。
便秘と言われるコロコロうんちやカチカチのうんちは、トンネルの途中で飲食物として口から入れた材料に偏りがあって水分を吸収し過ぎたり、トンネルの不具合があって滞在時間が長すぎて水分を吸収しすぎたりしたものです。
バナナのようなうんちでも糖質が多いと粘り気が強くキレが悪かったりかったり、
脂質が多いと自分の持っている消化酵素で分解できずに体温の中で発酵が過ぎて腐敗させてしまうとキツイ匂いのするうんちが出てきたりします。
うんちの材料による形質の違い
そういえば大戦の際に、アメリカ軍の偵察チームがこのあたりの日本兵が何人くらいいるのかを見極め攻めるか否かを判断するのに、茂みの中のトイレを探し出していたそうです。
戦場に来る前から食物性繊維質多めの食べ物が中心で育ってきた日本人は便の量がとても多かく形もしっかり残っていたことから
このあたりの日本兵の規模はかなり大人数なのではと勘違いして、撤退したという話を聞いたことがあります。
当時の米兵はパンと肉食。肉食のおかげで体は大きく、小麦粉で作ったパンのおかげでしっかりと体にとどめる働きをしてくれていた一方で、食物繊維が少ない分便の量は少なく、形状も崩れていたことが予想されます。
小麦と肉が中心の食事では、こね回しながら栄養に分解してゆくにはパワーが必要で、頑張ってこね回して消化させているうちに熱を帯びてきます。
熱を帯びると大腸に行くまでに水分も蒸発して粘度を増し(※)少しずつ乾燥してしまい、抵抗なくスルスルスル〜っと出せません。
それどころかその前に停滞してしまい便秘と言われる状態になりやすくなってしまいます。
反対に日本兵はお米が充分に届いていたうちは、種でもある米粒の生命力のお陰でエネルギーに満ち溢れていて、
そのあたりでとれた草なども合わせて食べていて不要物をきちんと排出できる体内うんち製造工場がうまく機能していたと考えられます。
今の私たちの暮らしでは、パンやお菓子を日常で手軽に食べてしまいがちですよね?
また精米したお米も毎食十分に食べることができ、おかずも脂質や糖質多め。
口に入れた後、実は私たちの体の中ではこね回して全身の栄養にしたり排泄するのにとっても頑張ってくれているんでしょうね。
排出しにくい形状だから、溜め込んでしまっている人が増えているのかもしれません。
健康的な飲食物で作られたうんちは、バナナのように水分が程よくあって匂いも抵抗もないスルスルスル〜っと出せたものです。
自分を元気に生かそうとしてくれている「身体からのお便り」をきちんと受け取って、解析してみましょう!
大事なチェックポイント
では、ここで自分のうんちはどうかな?解析してみてください。
今日のご自分のうんちはどんな形でしたか?
いつ排泄しましたか?
何回排泄しましたか?
どのくらいの量?
粘度は?
色や形は?
綺麗なうんちが出ない理由
中医学では、口から入れた飲食物の通る胃の入り口までの肺や心臓エリアを上焦。胃の入り口(噴門・横隔膜と言われる辺り)からその出口(幽門や命門・臍のあたり)を中焦、肛門までの小腸や大腸を下焦と言います。
便秘や下痢と一言で言いますが、
1飲食物の偏りが原因のこともあれば、
2トンネルの不具合のこともあります。
ちなみにトンネルには働きや役割ごとに名前がつけられていて、口に入って肺や心臓を通過するあたりを上焦エリア、その次の胃と脾臓、小腸や肝臓のあたりを中焦エリア、その次の大腸や腎臓あたりを下焦エリアといい、それぞれの働きが生命として活動するための生理機能を果たしてくれています。この生理機能能力を発揮して出てきたものがうんちです。だからの便秘や下痢はそれぞれの機関が生命活動をするために生理機能を使って調節してくれた結果です。
ということは、お薬で下痢止めるとせっかく調整するために排出しようとしたものをあえて身体の中に留めることになる?!
じゃぁ、便秘を解消するための薬ならいいのでは??
お薬は状況によって体を好転させる助剤のようにきっかけづくりとして使えばいいと思います。
「来週の大事な出張会議までにスッキリしておきたい!」
「これまでの練習の成果をハレの大舞台で発揮したい!」
「大事な入試は万全な状態で安心して臨みたい!!」とか。
どういう作用の薬を用いるのかを考えて、自分の目的のために利用する。お薬は体の五臓全てに効く事から、どんなふうに負担をかけるのか?あらかじめ考えておく。
(便秘の)排出を促すお薬では、必要な消化酵素までも一緒に排出してしまうこと。
(下痢を)止める作用のお薬ならば、体のすべてに止める働きを司令することになる。
それぞれのエリアには五臓六腑という機関があり、人間の体は五臓を中心に様々な組織器官を連携させています。
特にこの五臓が人体の栄養となる気血津液を生み出し、生命活動を維持するために貯蔵しバランスを保つために働いてくれています。
つまり、この五臓のバランス調整能力が問われています。
また別の機会にこの解説を詳しくしますね。
飲食物が偏るとどうなるか?
ご飯前に水分を飲み過ぎると
・胃酸などの消化酵素が薄くなり分解できずに胃の中の停滞時間が長くなります。
・腸が浮腫んでいてうまく蠕動運動がつかえず出せなくなります。
甘いもの、お米など糖質を摂りすぎると
・胃でネチャネチャと粘帯し(胃もたれ)結果滞在時間が長くなり水分蒸発し便秘へ
・消化するのにそもそも持っている能力以上に捏ね回す必要があるためパワーが必要、そのため熱がこもってきて、大腸内が乾燥し便が乾燥する。
ちなみにお子さんなどで胃が未発達の成長段階の時やお薬を服用して弱っている場合も消化できずに胃で停滞します。
必要以上に食べ過ぎたり、お薬を服用することによって、機能が虚弱になります。
お子さんなどで胃の機能が未発達、成長段階の時は消化できる量を超えない配慮が必要です。
停滞させる時間が長いとか、食べ物が降りてゆかない時は
腸の中で粘り気を帯びていたり浮腫んでしまっています。
常にお腹が満たされている状態で消化ができていません。
消化を待ちましょう。プチ断食などが必要です。
まとめ
これから季節は冬に向かいます。寒くなると冷えからの下痢も起こります。他にも胃が冷え固まってしまい消化がしにくいこともあります。全身を流れる血管やリンパなどの通り道が冷えてしまっても停滞の原因になります。
身体の四肢末端だけでなく、胃のあたりに優しく手を置いて温めてあげましょう。
また水分の摂り過ぎも冷えやすくなりますよ。
下痢や便秘は病気ではないです。
けれども放置していると全ての不調のきっかけにもなります。
体からのお便りをしっかり受け止めて
食事内容の工夫や改善と温めたり運動したりして体内の熱をコントロールしてみてください。